中国系ゴト師がベトナムに作った振り込め詐欺専用コールセンターに、中国人や台湾人が働いているというのもまた事実。外国人による不法就労の温床になってしまっています。
振り込め詐欺の被害で先行していた韓国では、検挙されるゴト師の過半数が中国(大陸)や台湾(中華民国)国籍だといいます。日本でも、暴力団が資金集めの手段とすることだけを目的に振り込め詐欺を行っている訳ではありません。中国人グループが捕まる例や、酷いと中国にコールセンターを設け、日本から送り込まれた日本人スタッフを使って日本向けに電話をかけるという例もあります。つまり、相手国のネイティブスピーカーをコールセンターの従業員に使うことで、電話をかける相手や警察当局に怪しまれないようにしているのです。
朝日新聞から引用:
(ボスは)中国人の日本語では相手に怪しまれる、とも言った。
では、中国の振り込め詐欺グループが、中国や台湾を狙うとなると、どこからやるのでしょう? 中国国内では怪しまれるどころか、万が一所在が割れて逮捕となれば死刑は避けられません。そこで、国外からIP電話を使って大量の電話をかけるようになったのです。そこでグループが目をつけたのがASEAN圏でした。タイやフィリピンを経て、ベトナムに上陸してきたのです。
でも、日本人向けの振り込め詐欺だからと言って、日本本国に住んでいる日本人だけがやられる訳でもありません。ASEAN圏内で現地採用や駐在員として活動している日本人も、気をつけなければいけません。
日本のように、携帯電話を持っていないお年寄りの固定電話にかけてくるというようないわゆる「オレオレ詐欺」的な手法はベトナムにはまだありません。携帯電話が主流のベトナムだから振り込め詐欺なんてあり得ないでしょ、と思ったらそうは問屋の大間崎です。防護策を取るにも一筋縄ではいきません。現採で言葉に精通していると、万が一ベトナム語でかかってきたときに社員や親しい地元民からの電話と勘違いして振り込んでしまうことも予想されます。実際、「ATMで他の口座への振込みを利用した人にプレゼントが当たる」などというキャンペーンを装った振り込め詐欺がベトナムでも起こったといいます。
VIETJOから引用:
ドンア(東亜)銀行は12日、ホーチミン市内にある同行の複数の現金自動預払機(ATM)ボックス内にキャンペーンを装った振り込め詐欺のチラシ広告が置かれていることが分かったと明らかにした。このチラシには、今月中に一定の金額を指定した口座に振り込めば、銀行からの支援金をその金額に上乗せして支払うと書かれている。しかしドンア銀行はそのようなキャンペーンは一切行なっていない、と注意を呼びかけている。
そこで、会社とプライベートのように、2つの携帯電話番号を使い分けるというのはどうでしょうか。プライベートの番号は本当に親しい人にしか教えない。会社の物だけを名刺に刷る。こうすれば、少なくともプライベート用に怪しい先から電話がかかってきても、すぐに分かります。「知らない人なので相手しません」で回避できるのです。