ホーチミンシティ行政圏内で昨年1年間に起こった交通事故のうち、実に7割以上がモーターバイクが絡んでくるという調査結果が出てきました。行政圏交通安全委員会がまとめたもので、その中でもモーターバイク同士の衝突が半分以上を占めるといいます。

VIETJOから引用:
 ホーチミン市で発生した交通事故件数1,123件のうちバイクが絡むものは783件(69.72%)で、死者数は全体の69.64%に相当する649人、負傷者は75.1%相当の365人だった。このうちバイク同士の衝突事故は629件、死者数535人と全体の半数以上を占めている。

 ベトナムはアジア有数のモーターバイク王国として知られています。その数は四輪車が中心になってきているタイやマレーシアの比ではありません。朝のラッシュ時のホーチミンシティに自転車があふれていた時代は今いずこ。モーターバイクは市民の重要な足です。販売も、ホンダとヤマハの日本2強で全体の7割を占めるようになったというデータが入ってきています。

VIETJOから引用:
 ホーチミン市(行政圏)で登録されているバイクの台数は約407万台。1日平均約1,000台が新たに登録されており、これは前年より10%増加している。

 ホーチミンシティ行政圏の人口は住民登録ベースで630万人に達しますが、他の省から登録を移してこない人も多く、実際はもっと多いのではないかという説が有力です。一部では800万人から1,000万人近いのではないかという推測もあります。630万人という数字で考えると、総人口の1.5人に1台。800万人と考えても、2人に1台のペースで普及していることになります。ホーチミンシティと似たような規模のバンコク首都圏(タイ)が、住民登録ベースの人口600万人に対して、登録台数239万台なので、2.5人に1台であることを計算しても、この数字は凄すぎます。

VIETJOから引用:
 また、近隣の地方からは1日当たり約100万台のバイクが市に流入している。

 バンコク首都圏でも数十万台のモーターバイクが隣接県から通勤圏に流入してきますが、タイの場合はバンコクで登録されたバイクの持ち主が地方に帰った後もそのままの登録で走ることがあり、その意味でもホーチミンシティのモーターバイク事情が如何にすごいか、よくわかります。

 その分、交通事故に遭うリスクも非常に多い。東京と同じように考えられてはホーチミンシティではとてもとてもやっていけません。

警視庁ホームページから引用:
 2007(平成20)年中の東京都内の交通事故による死者数は218人で、そのうち二輪車(原動機付自転車を含む)乗車中の交通事故死者数が61人(28%)でその構成率は、前年に比べ3.2ポイント減少しているものの、依然約3割と高い割合を占めました。※全国平均19.2%

 二輪車の絡む死亡事故の割合も、死者の割合も、ホーチミンシティは日本全国の平均値の実に約3倍。東京のデータをとっても2倍以上。バイク王国ベトナムは、それなりのリスクを裏に秘めた国なのです。

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