ベトナムでは、野生のカタツムリを漢方薬の一種として食べるという迷信があるらしく、悪性の寄生虫が原因で死亡する例も後を絶ちません。最近も、メコンデルタのカンボジア国境に近い街チャウドックでカタツムリを食べた女性が、寄生虫による髄膜炎で死亡しました。
VIETJOから引用:
ホーチミン市熱帯病病院は17日、メコンデルタ地方アンザン省チャウドック市在住の女性Nさん(47歳)がカタツムリを食べた後、髄膜炎を発症して死亡したと明らかにした。
なんでもこの女性は、慢性胃炎の治療にカタツムリが効くなどという近所の人の発言を真に受けてしまい、殻を割って生で食べたというのです。
VIETJOから引用:
Nさんの家族によると、この2年ほど胃痛に悩まされていたNさんは、今月5日に近所の人からカタツムリが胃炎に効くと教えられ、言われるままにカタツムリを食べたという。
カタツムリが属する巻貝類は、漢方薬などの民間医療に使われる事が今でもありますが、一方で寄生虫の宿主として非常に危険な存在です。普通にその辺にいるカタツムリを焼いたり煮たりしただけで、エスカルゴとして食べる訳にはいきません。フランス料理でよく食べられているエスカルゴは、衛生的な形で養殖されているものです。
日本語Wikipediaから引用:
種類にもよるがカタツムリやナメクジ、ヤマタニシやキセルガイなどの陸生貝およびタニシ類などの淡水生の巻貝は広東住血線虫などの寄生虫を持っている事がままあり、触れた後にしっかり石鹸や洗剤で手や触れた部分を洗わなければ、直接および間接的に口・眼・鼻・陰部などの各粘膜および傷口から感染する恐れがある。
また、体内に上記の寄生虫が迷入・感染すると、中枢神経系で生育しようとするために眼球や脳などの主要器官が迷入先である場合が多いので、罹患者は死亡または重い障害が残るまでに至る可能性が大きい。
これら線虫類をはじめ寄生虫の多くは乾燥にも脆弱なので、洗浄後は手や触れた部位の皮膚をしっかりと乾燥させることも確実な罹患予防に繋がる。
今回の事例もまた然り。黒焼きにしたりしてもまだ寄生虫が生き残る可能性があるのに、生で食べるなど文句なしに論外、それこそキンチョールのコックローチです。さらにネズミからも寄生虫を持ってくることもあるというのです。
日本語Wikipediaから引用:
ナメクジやカタツムリなど、粘液性腹足類動物を食べることによって(髄膜炎に)感染したというケースが、多数報告されているという。 さらに、ネズミの肺に存在する寄生虫を、ナメクジやカタツムリの幼虫が運び、それを食した人間が感染するという説もある。
当然、チャウドック市内の病院では対応できず、300km離れたホーチミンシティの公立熱帯病専門病院に転院してきますが、脳に入り込んだ寄生虫が原因で髄膜炎を起こし、到着時点で既に深刻な状況になっていて手の施しようがなく、死亡したといいます。