西側先進諸国で金融犯罪や性犯罪を犯した者が、最後の逃亡地としてよく選ぶのは、タイだといわれています。中でもパタヤはその筋では知らぬ人はいない存在。しかし、最近はタイも危なくなったといって、ベトナムに来る例も見受けられるようになりました。
VIETJOから引用:
インターポール(国際刑事警察機構)ベトナム事務所は10日、ベトナムは外国人の出入国管理に弱点を抱えているため、世界の犯罪者の逃亡先になっているとの認識を明らかにした。
タイにはそれこそ、全世界から筋金入りの犯罪者が多数集まってきます。アフリカや中東系の運び屋がコカインやヘロインをキロ単位で持ち込もうとして、バンコク・スワンナプーム空港で捕まるのはそれこそ日常茶飯事です。タイで長期の受刑者が集められるバンクワン終身刑務所には、1,000人以上の外国人が服役していて、その中には死刑囚もいます。しかし、受刑者移送条約のある一部の国の連中は、入所後数年経つと本国に帰国してしまい、残り期間を再審査されるなどして結局出所、再犯に及ぶこともあるといいます。
最近も、タイに定住していたロシア人がペドフィリア(児童性愛)の容疑で逮捕され、保釈されたものの直後に本国に帰国、一部で逃亡と決め付けられたというニュースがありました。
朝日新聞から引用:
ピアニスト兼指揮者として世界的に有名なロシア人音楽家のミハイル・プレトニョフ氏(53)が、タイの保養地パタヤで、14歳の少年に性的な暴行をしたとして警察当局に一時拘束された。インタファクス通信などによると、保釈金30万バーツ(約80万円)を払い、7日にはタイ出国も認められた。
そういった外国人犯罪者の間では、タイももう危ない、タイに代わり得る逃亡先を探そうという動きが見られるようになっています。代表的なのはカンボジアですが、プノンペン郊外の売春窟「スワイパー」はその手筋の間で有名になりすぎ、今では世界中の人権擁護団体から目をつけられる存在になってしまっています。それでもプノンペンを目指す人は多く、近年もプノンペン周辺で逮捕されて数十年単位の懲役刑をつけられる欧米人の男が後を絶ちません。
AFP通信から引用:
カンボジア警察当局は(2006年8月)22日、未成年の少女に対する性的虐待容疑でドイツ人1人、ベトナム人3人を逮捕したと発表した。逮捕されたドイツ人は、ミュンヘン(Munich)出身の42歳の男。前日には、同じくドイツ人の61歳の男が、未成年者と性的行為に及んでいる様子を映したビデオが発覚し身柄を拘束されている。
プノンペンがダメだといって、タイに戻ってきた中には、過去カオサン在住時代のふくちゃんを蹴落としたあの人がいました。
前記事「カンボジアの風俗摘発でベトナムにも影響が」から再出:
ということは、何年か前にスワイパーで常連だったという、今はバンコクのママズゲストハウスに逃げてきているあの人も...、これ以上はやめます。
ではフィリピンはどうかといいますと、日本の暴力団員が絡んだ犯罪事例が後を絶たないということで、入国を拒否される例が続出していました。過去にはバンコクからマニラ・ニノイ空港経由のエジプト航空機で日本に向かったバックパッカーが、ストップオーバーしようと入国審査を受けた際、タイで入れてきたタトゥーを審査官に見つけられ入国拒否、永久再入国禁止となった例もあります。
外務省ホームページから引用:
入管局により不良外国人と判断されたために入国を拒否された例もあります。また、入れ墨や指の欠損などの身体的特徴から日本の犯罪組織に属するものと判断され、入国を拒否される例もあります。
そこでベトナムが、犯罪者たちの俎上に上がってきました。欧米諸国からのベトナム入国には基本的にはビザが必要ですが、ビザさえ取得してしまえば、後は簡単だというのです。
VIETJOから引用:
指名手配の発令件数の多い国は韓国、台湾、米国、英国など。ほとんどの指名手配犯は空路で合法的に入国し、外国人が多く住む地方(東南部のドンナイ省、ビンズオン省、バリア・ブンタウ省など)や大都市(ハノイ市、北部ハイフォン市、中部ダナン市、ホーチミン市)に隠れ住んでいるという。
さらに、ベトナムに加え中国からもビザなし渡航の特権を受けている日本人の場合、ベトナムと中国の国境のラオカイ市周辺に住み、15日ごとに中国側の雲南省河口市との間を往復しているという人もいます。