ベトナム中部のとある省では、生まれたときに科された課徴金の額をそのまま子供の名前として付けてしまうという日本ではまずあり得ない親がいます。
VIETJOから引用:
マイ・ファット・サウギンズォイという名を持つ若者がいる。この氏名の中間名以降のファットとは罰を意味し、サウギンズォイとは数字の6500、つまり名前そのものが「罰金6,500ドン」なのである。
日本では、名前を付けるにあたっては常用漢字、「人名用漢字」として法務省が特に定めた漢字、およびひらがなとカタカナを使わなければならないとしています。
総務省HP「法令データ提供システム」から引用:
戸籍法第50条 子の名には、常用平易な文字を用いなければならない。
2 常用平易な文字の範囲は、法務省令でこれを定める。
戸籍法施行規則60条:
戸籍法第50条第2項の常用平易な文字は、次に掲げるものとする。
1. 1981年内閣告示第1号常用漢字表に掲げる漢字(括弧書きが添えられているものについては、括弧の外のものに限る)
2. 別表第2に掲げる漢字(人名用漢字)
3. 片仮名又は仮名(変体仮名を除く)
しかも、公序良俗に反するとされた時は不受理か万が一受理されても無効になってしまいます(民法90条)。20年ほど前に、子供に「悪魔」君と付けようとした親が、市役所から親権濫用で不受理を喰らい、東京家庭裁判所も「手続き論上止むを得ないが本来は戸籍法違反」という判決を出したのは大手マスメディアでも取り上げられました。
日本語Wikipediaから引用:
1993年8月11日、東京都昭島市の役所に「悪魔」と命名した男児の出生届が出された。「悪」も「魔」も常用漢字の範囲であることから受付されたが、市が法務省民事局に本件の受理の可否に付き照会したところ、子供の福祉を害する可能性があるとして、親権の濫用を理由に不受理となった。
届出者は、東京家裁八王子支部に不服を申し立てを行い市役所と争った結果、家裁は「命名権の乱用で戸籍法違反であるが、手続き論的立場から受理を認める(親側勝訴)」との判断を下したが、市側は東京高裁に即時抗告した。その後両親は、男児が悪魔との名前に反応していることを理由に、他の漢字を用いて再度「あくま」の名で届け出ようとしたが、市役所は不受理とした。届出者は類似した音の名前を届け出て、これが受理された。
本件は、当初届け出ようとした名前の特異性から話題になり、マスメディアにより大きく報道された。
ところが、日本では不適切になりそうな名前も、ベトナムでは実際についてしまうことがあるのです。
VIETJOから引用:
彼の父親が息子の出生届を出した際に、産児制限規定で定められた子供の数を超えていたため罰金を納めるよう求められたことに激昂して腹いせに罰金の金額をそのまま名前としたものだ。
しかも、全く違う理由で罰金を取られた別の父親にまで波及していたというのですから驚き。日本なら、テレビでよくある世界びっくりニュースのネタに出てきそうなもんです。
VIETJOから引用:
出生届の提出が遅れたため課せられた罰金に怒り狂った父親によって、罰金の金額である数字の3,500を名前にされた、「罰金3,500ドン」という人物もいるという。
「罰金6,500ドン」君というとんでもない名前を付けられたこの少年は、生まれて早々といじめの対象になってしまい、学校に上がってからも登校拒否や引きこもりなどと、社会主義にはとても似つかない不遇な生活を送りますが、ついに明るい人生を踏み出す第一歩が訪れました。
VIETJOから引用:
このほど裁判所から中間名以降をホアン・ロン(皇竜)に改名する許可が出された。
「罰金」君が、「竜王」君になったと彼は大喜び。省政府も彼の未来に栄光あれとばかりに全力で支援するといいます。