自動車用ガソリンは、そのオクタン価によって「レギュラーガソリン」と「ハイオクガソリン」に分かれます。ところが、ベトナムでは先進諸国のレギュラーガソリンの品質にも満たない、粗悪なガソリンがいまだに流通しています。政府では、粗悪ガソリンの流通禁止に向けて腰を上げました。

VIETJOから引用:
 南部製品品質管理支局は先ごろ提出した南部4省市でのガソリン品質検査結果の報告書の中で、オクタン価(RON)83のガソリン(A83)の市場流通禁止を検討する必要があると提案した。

 日本では、JIS(日本工業規格)でオクタン価89以上95までがレギュラーガソリン、96以上100までがハイオクと規定されています。タイでは、オクタン価91がレギュラー、95がハイオクです。これが欧州圏に行くと、レギュラーでも95、ハイオクは100になるといい、ベンツやフォルクスワーゲンといった欧州車は、欧州圏外に輸出するとハイオクガソリン指定になってしまいます。
 一方ベトナムはというと、ペトロリメックス(石油総公社)では、レギュラーガソリンはオクタン価92、ハイオクを95としています。
 ところが、レギュラーガソリンの92よりもずっと品質の落ちる、オクタン価83のガソリンも未だに存在します。オクタン価83のガソリンは、日本では既に売れなくなっている代物です。しかし、高オクタン価ガソリンの分留技術を持たない第三世界ではオクタン価83でも十分粗悪ではないという見方でまだまだ流通しています。

VIETJOから引用:
 全国には1990年以前に生産され、RON83を使用する設計の車両が約1万7000台存在する。これらの車両はエンジンの特性からRON83の使用が適しているとされる。またRON83は軍隊でもかなりの量が使用されている。

 ベトナムもご他聞に漏れませんでしたが、昨年操業を始めたズンクワット製油所から出荷される国産高オクタン価ガソリンを確実に国内消費させるため、ペトロリメックスが中心となって高品質レギュラーガソリンを確実に普及させることが急務となっています。

 2005年には、オクタン価83のガソリンとレギュラーガソリンの価格差は1リットル当たり200ドンにまで縮小していました。しかし、製油所からの輸送体系が整っていない北部山間部では、個人商店などで細々とオクタン価83のガソリンが売られています。ハノイやホーチミンシティといった大都市でも、日本や韓国などからの中古車向けに低品質ガソリンが売られてきました。ですが日本車であれば、中古だからといってわざわざ低品質ガソリンを使う理由はありません。逆に、ハイオクガソリン指定がかかっている高級車にレギュラーガソリンを入れると出力と燃費が落ちるばかりか、場合によっては走行中に突然車が止まるなどの深刻な故障を招くこともあります。レギュラーよりもさらにオクタン価が下がる低品質ガソリンでは尚更です。ハイオク指定車には、低品質ガソリンを絶対に入れてはいけません。

SUBARU(富士重工)オフィシャルWebサイトから引用:
Q:プレミアムガソリン仕様車にレギュラーガソリンを使用しても問題ありませんか?
A:エンジン性能を十分発揮できなかったり、始動性が悪くなる場合があるので緊急以外の使用は避けてください。使用を続け万一エンジン不調などの不良を生じた場合は保証の対象外となるケースがあります。

 ましてや、ズンクワットに続く第2、第3の製油所が始動となれば、国産高品質ガソリンの流通量はさらに増えることになります。高品質ガソリンと低品質ガソリンを混ぜて販売する例も見られ、見方を変えれば国産高品質ガソリン普及を阻害する要因になっています。

VIETJOから引用:
 これはオクタン価の高いガソリンであるA92やA95と混合して販売する行為が横行しているため。

 ガソリンとアルコールを混合した次世代燃料「ガソホール」も、高品質ガソリンがベースです。タイではレギュラーガソリンにアルコールを混ぜた「ガソホール91」もありますが、基本的にはオクタン価95のハイオクガソリンをベースに設計されています。低品質ガソリンベースのガソホールなんて、絶対にあり得ないのです。

 一方でモーターバイクでも、機械自体の経年劣化があるキャブレター式エンジンは駆逐される一方。ホンダでは、タイ向けのモペット、スクーターが全車種PGM-FI(電子制御燃料噴射装置)に統一されました。ベトナムではまだキャブレター式の「ドリーム」「ウェイブα」が製造されていますが、低品質ガソリンの時代はようやく終わりを迎えたと言っていい時代になりました。 

メインメニュー

ベトナムこぼれ話一覧

携帯サイト