殺人はたとえ理由があっても絶対に許されるものではありません。相手が望んだ場合でも「自殺関与・同意殺人罪」といって死刑や無期にはならないものの処罰されることに変わりはありません。しかし、ベトナムで先日起こった殺人事件は、アルカイダやタリバンも真っ青の無差別テロどころか、「死ね死ね団」の生まれ変わりかとも言えるとんでもない事件でした。
VIETJOから引用:
北部フート省警察は23日、タクシーを乗り回し見かけた複数の人に理由もなく暴力を振るって、そのうち1人を死亡させた疑いで若者グループ8人を逮捕した。
ハノイ首都圏の西隣のフート省で起こったこの事件、犯人グループとなった8人の男たちは、酒場での飲みの席上、何をムシャクシャしたのか、1台のタクシーを呼んで川べりに向かいます。そこで、降りたところへ通りかかった一般市民を見境なくやっつけるなどというテロを思いついたのです。
VIETJOから引用:
グループは今月20日午後9時ごろ、メンバーの家に集まってタクシーを呼び、同省ベトチー市に酒を飲みに行った。約2時間かけて4リットルの酒を飲んだ後同じタクシーに乗り、見かけた相手をかたっぱしから殴ることで一致したという。
どこかの国の自爆テロでも、標的と目的がなければ実行されません。標的は誰でもいい、目的もないテロなんて、言語道断です。
北京発の中国国際放送から引用:
パキスタンのメディアによりますと、パキスタン北西部のモーマンド地区で自爆テロが起き、102人が死亡し、120人が負傷したということです。
報道によりますと、一人の男が市場にある政府役人事務室に入ろうとして、阻止されたところ、身に付けた爆弾を起爆しました。爆発により、近くにある数軒の店と車が被害を受けたほか、周辺の通信と給電施設も麻痺状態となりました。
日本の特撮ドラマ「レインボーマン」で、悪役として強いインパクトを残した「死ね死ね団」は、日本人への恨みを理由に日本民族と国家の粉砕を狙うという大義名分がありました。
日本語Wikipedia「愛の戦士レインボーマン」から引用:
リーダーが第二次世界大戦中に日本軍から受けた虐待経験から日本と日本人を憎悪していることから、日本国家の解体と日本人殲滅を目的とする組織であり、そのため組織の攻撃対象は日本に限定され、多くの特撮ものが抱える「何故日本だけが攻撃されるのか」という矛盾をクリアしている。
そういう意味で、似たような事件を探すと2年前、東京・秋葉原で起こった「秋葉原通り魔事件」がありますが、このときは単独犯でした。今回は複数犯ですからやられる方にはたまったもんではありません。
そして、男たちは川べりで車を下り、最初に見かけたカップルに襲い掛かりました。ドラマでは、複数で襲い掛かってくる死ね死ね団をレインボーマンが1人でやっつけるのですが、現実的にはそんなことできるわけがありません。8対2では、被害者側にまず勝ち目はありません。
VIETJOから引用:
最初の被害者はバングエン村のタオ川の堤防で話をしていた男女で、グループは2人に殴りかかった後、彼らのバイクを川に落として現場から逃走した。
男たちは車に戻り、別の村に乗り付けてきます。ここでもバイクに3人乗りしている一団を見つけ、止めさせると、言いがかりも何もなしに襲い掛かりました。そして、3人のうち一人の男性をメッタ打ちにし、殺害。あとの2人もそれこそ虫の息になるまでやってしまいます。
VIETJOから引用:
ビンライ村では男性3人が乗っていたバイクを止め、この3人を棒や石などを使って激しく暴行し、グエン・ドク・タンさん(26歳)を死亡させ、別の2人にも重傷を負わせた。
そして、男たちは家に帰っていきますが、ビンライ村で虫の息にしてしまった男性の行方が気になり、メンバーの1人が公安に自首。そこから、残りのメンバーも身元が割れ全員逮捕。さらに、男たちが乗ったタクシーの運転手も、共犯として逮捕されたのでした。