ベトナム航空は、先に本決まりとなっていた国際航空連合「スカイチーム」への加盟が、6月10日(木)を期して行われると発表しました。
スカイチーム公式ホームページ(デルタ航空太平洋地区本部=旧ノースウエスト航空が管理)から引用:
スカイチームでは、6月にベトナム航空とタロム・ルーマニア航空の2社を新規加盟航空会社として迎えます。(中略)ベトナム航空は6月10日ハノイにて、またルーマニア航空は6月25日ブカレストにて、スカイチームに正式に加盟する予定です。
最大の変化は、マイレージプログラムでしょう。これまでは自社の「ゴールデンロータスプラス」か、キャセイパシフィック航空の「アジアマイル」に選択肢が限られてきましたが、6月10日以降はスカイチーム加盟各社のマイレージプログラムに加算することができるようになります。
スカイチーム系のマイレージプログラムとしては、デルタ航空の「スカイマイル」が最も有名、かつ最大規模を誇ります。旧ノースウエスト航空の「ワールドパークス」でマイルを貯めていた日本人は200万人以上に上り、そのすべてが合併に伴ってスカイマイルへ移籍してきました。
デルタ航空のニュースリリースから引用:
2009年10月には、マイレージプログラムの統合を行い、世界最大のマイレージプログラム「スカイマイル」が誕生しました。
一方、大韓航空の「スカイパス」も日本だけで100万人近い会員を抱えます。エールフランスの「フライングブルー」もそれなりに持っている方がいらっしゃるのではないでしょうか。アエロフロートロシア国際航空には「ボーナス」、アリタリア航空には「ミッレミリア」、中国南方航空にも「スカイパールクラブ(南航明珠倶楽部)」があります。それらスカイマイル以外のスカイチーム系マイレージプログラムでも、6月10日からはベトナム航空の搭乗マイル加算と、ベトナム航空便を利用するスカイチーム特典航空券の取得が可能になります。
ただし、コンチネンタル航空の「ワンパス」を持っている方は要注意。コンチネンタル航空は以前はスカイチームメンバーでしたが、2009年10月にスターアライアンスへ移籍しており、スカイチームとは縁がなくなっています。さらにユナイテッド航空との合併で「マイレージプラス」への移行が予定されているため、合併でスカイマイルに移行した旧ノースウエスト航空の「ワールドパークス」と同様、将来的にワンパスはなくなる運命です。
全日空のプレスリリースから引用:
コンチネンタル航空のスターアライアンス加盟を機に、コンチネンタル航空のマイレージプログラムのワンパス会員は、スターアライアンス加盟のどの航空会社を利用してもマイルを獲得し、特典を利用できるようになります。ワンパスのプラチナ・エリートおよびゴールド・エリート会員は自動的にスターアライアンスのゴールド会員として、...(後略)
スカイチームとは競合関係にある国際航空連合「ワンワールド」に残る意思を固めた日本航空とのコードシェアなどの関係も従来通り維持されます。ベトナム航空では8月に就航を予定しているホーチミンシティ~名古屋線でも、アライアンスの枠を超えて日本航空とコードシェアを組む予定だといいます。
日本航空のプレスリリースから引用:
JALグループは現在、早期の会社再生に向け、全力で改革に取り組んでおります。今後、AAとの共同事業に加え、ワンワールド各社や既存のコードシェアパートナーとの提携を強化し、より便利でより良いサービスをご提供することにより、より一層お客さまに選んでいただける航空会社へと生まれ変わります。
ベトナム航空のビジネスクラスを利用される方には、空港ラウンジのサービスがあります。ベトナム航空は現在、成田空港では第2ターミナルを利用しているため、コードシェア相手である日本航空の「サクララウンジannex」に案内されていますが、スカイチームは第1ターミナル北ウイングに集められていますので、将来的にはベトナム航空も第1ターミナル北ウィングに移動する予定。そうなればラウンジはデルタ航空の「スカイクラブ」か、大韓航空の「KALラウンジ」が利用できるようになります。
一方、関西空港でもJALの「サクララウンジ」へ案内されていますが、6月10日からはKALラウンジも利用できるようになります。