日本では、タクシーの側面の窓ガラスに初乗り運賃を書いたシールを貼り付けるのが常識。車内には詳しい運賃の説明が書いてあります。区間制料金のバスなら、車内の表示機に運賃が表示されています。ですが、ベトナムでは運賃の表示がないものが非常に多く、公正を害してきました。政府では、諸外国に大きく後れを取りながらもこれら表示を義務付けることにしました。
VIETJOから引用:
交通運輸省と財政省はこのほど、車による旅客輸送の運賃表示について規定した共同通知を公布した。それによると、10月10日から各タクシー会社・バス会社は、利用者によく見えるよう車の外部と内部に詳しい料金表を掲示することが義務付けられる。
例えば、ハノイ・ノイバイ空港から市内へ向かう公営バスの運賃は5,000ドンです。これは外国人でも同じ料金で問題はないのですが、都市と都市を結ぶローカルバスでは、ベトナム人が払う正規の料金で外国人はまず乗れません。同じクルマでも2倍から3倍、ひどいと10倍以上の外国人料金を払わされることすらあります。これが面倒だといって、外国人旅行者を乗せる専用のバスとして生まれたのがオープンツアーバスです。オープンツアーバスはドル建て運賃なので外国人にはわかりやすく、ボッタクリも基本的にありません。シンカフェの本物と偽物を区別できさえすれば、旅行者にとっては快適な乗り物です。
一方、タクシーはメーターが付いているものもありますが、多くは交渉料金制。シクロはメーターが取り付けられない構造のため、交渉料金制を採っています。
VIETJOから引用:
タクシーの場合は、初乗運賃・加算運賃・時間制運賃・待機料金などを、ドアの外側と車の内部に掲示。路線バスの場合は、1回当たり運賃・定期運賃などを、バス外側の乗降口付近、車内、停留所などに掲示しなければならない。
自転車をベースにしたシクロは構造上も車体に運賃表示をすることができないため、対象外となりますが、政府では将来的にシクロを全廃する方向で持っていくことも考えています。
これがASEAN域内の他の国となると、タイでは4輪タクシーの後部座席に運賃表が張り出されています。一方でトゥクトゥクには運賃の表示がなく、ドライバーと乗客の交渉で決まるシクロと同様のシステムなので、例えばバンコク首都圏内では外国人と見るや料金が2倍に跳ね上がるのは半ば当たり前。タイ人が交渉に関わっても全く下げてこないという悪質な例もあり、問題化しています。中には一律10バーツ(5,000ドン)で市内観光をすると甘いことを言って、宝石やスーツ仕立てなどの店へ連れて行き、店員やインド人のオーナーもグルになって「買うまで帰さない」などと脅す例もあります。これはバンコクでのお話ですが、ホーチミンシティでも意図的な遠回りや「有名な市場が今日は休み」と言って別の辺鄙な市場へ連れて行くといったトラブルがあり、外国人の乗車は激減しています。
twitterのkikudomさんの書き込みから引用:
カンボジアならバイクタクシーを降りたとき、殆どの男性旅行者が「ガンジャ、マリファナ(いらないか)。」と声を掛けられた事があるはず。これも含まれるの。文句無く「売ってる人」です。女性旅行者に対してもそうかも。
プノンペンではモーターバイクタクシーが麻薬密売人や売春のポン引きに変身する例が後を絶ちません。社会主義社会に性産業はあり得ないという原則に則り売買春が全面的に禁じられているベトナムでは、特にホーチミンシティでそこに付け込む悪質ドライバーが多数暗躍しています。
在ホーチミンシティ日本総領事部のホームページから引用:
ベトナム人でさえ買売春時は泥棒などの被害に遭います。買春が犯罪であることから、買春時に被害に遭っても警察に届けられないという弱みをついて盗んだり恐喝したりしてきますから気をつけましょう
最も酷い例としては、中国国境に面したラオカイ市に、東京で発行されている月刊「アジアン王(キング)」を持って行き、シクロのドライバーに見せて「この娘を紹介してくれ」というのがありました。中国では、アジアン王にヌードが掲載された女性に掲載誌を見せたところ、本を公安省に持ち込まれて没収、長時間の尋問の末に国外追放となった読者もいたといいます。
シクロの運賃交渉はくれぐれも公正に。できることなら、車内の運賃表示もなされ信頼できる大手のタクシー会社以外は利用しないのが最も効果的な自衛策です。