タイの工業団地開発最大手、アマタコーポレーション(チョンブリ市、SET=バンコク市場1部上場)は、ベトナム南部のドンナイ省で展開している「アマタシティビエンホア工業団地」をさらに拡張する意向です。当初取得した用地の完売が迫っているためで、新たに2.4平方キロメートル(240ヘクタール)の土地を取得し、総開発面積を8.8平方キロメートル(880ヘクタール、タイの換算法で5,500ライ)に広げます。
時事通信から引用:
24日付のタイ英字紙バンコクポストによると、工業団地を造成・管理するアマタコーポレーションのウィブン最高執行責任者(COO)は23日、ベトナム南部ドンナイ省ビエンホア市にある工業団地を拡張するため、1,500ライの土地を追加する予定だと述べた。
アマタシティビエンホアの開発が1994年にスタートした当初は、6.4平方キロ(640ヘクタール=4,000ライ)でスタートしました。その後、日系を中心とする外資企業によるベトナム投資が伸びるにつれて工場用地の販売が進み、残りが少なくなってきました。
今年に入ってからも、ここで何度か取り上げてきた資生堂ベトナム工場(10万平方メートル)が竣工。つい最近も、東芝が団地内で建設を進めていた産業用モーター工場(8万平方メートル)が完成しました。
東芝のニュースリリースから引用:
本日、「東芝産業機器アジア社」は、ベトナム・ホーチミン市近郊ドンナイ省のアマタ工業団地に建設した産業用高効率モーターの新工場の開業式を行い操業を開始しました。
新工場は敷地面積約8万平方メートル、建屋面積約2.4万平方メートルで当社最大規模のモーター生産拠点となり、2015年には従業員数約500名を計画しています。
アマタコーポーレーションタイ本社によると、6.4平方キロメートルあった当初開発予定地のうち、既に5.3平方キロメートルが進出企業に引き渡されているとのことです。
時事通信から引用:
同社は1994年にベトナムに進出、同省に4,000ライの工業団地を造成した。(中略)既に3,300ライを販売。
しかも、第2期部分に入ってから販売のスピードが急上昇。ポストチャイナの最も重要な一角としてベトナムが注目されるようになった2000年代前半の時期にあたった事から、一気に進出企業が決まっていったのです。
西日本シティ銀行(福岡市、全国地方銀行協会加盟)のホームページから引用:
「アマタ工業団地」の場合、第一期開発面積129haは1995年に販売を開始し、完売までに約7年もの期間を要しましたが、第二期A区開発面積89haは僅か2年足らずで殆ど完売の状態となっており、既に第二期B区(開発面積80ha)の分譲が準備されています。
こうして、アマタシティビエンホア工業団地は進出企業の数と開発済み面積をどんどん増やしていきました。しかしアマタコーポレーションの野心的経営路線は、工業団地を単なる工場集積だけにとどめることはありません。工業団地内で生活の全てを完結できる環境を実現するのがアマタコーポレーションの目指すところなのです。主力のアマタナコン(タイ・チョンブリ県)では住居地区や大型ショッピングセンターなども整備しており、目玉となるゴルフ場「アマタスプリングCC」は、一線級プロによるツアー競技にも耐えられる仕様にしました。
アマタコーポレーションの日本語ホームページから引用:
弊社アマタ工業団地は Perfect City(パーフェクトシティー)というコンセプトのもと、働く環境のみならず居住スペースとしても機能するために、教育、医療、娯楽施設などを含めた環境づくりに力を入れております。
アマタコーポレーションでは、Perfect Cityの理想をタイに続いてベトナムでも実現しようと、タイ同様の生活環境整備を行うことにしました。
VIETJOから引用:
タイ系アマタ・ベトナム株式会社は11日、東南部ドンナイ省ビエンホア市のアマタ工業団地内で商業区の着工式を行った。投資額は約1700万米ドル(約15億円)。国道1A号線沿いの面積約20ヘクタールの敷地に、ホテル、ショッピングセンター、居住地区、娯楽・サービス地区などを整備する。
こうして、未開発の土地の残りはますます少なくなっていきました。そして、ついに残りが100ヘクタールを切る日が近づいてきました。
時事通信から引用:
残りが700ライ(112ヘクタール)しかないため、追加造成する。
残りが300ヘクタール台になれば、2015年前後までの新規進出には応えられるはずです。