日産自動車(横浜市、東証1部上場)は、この春から待望のベトナムでのノックダウン生産を開始することになりました。その第1弾となるワゴンの世界戦略車「グランドリヴィナ」(別名リヴィナ・ジェニス)が現地の工場からロールアウトし、発売されました。
会社ニュースリリースから引用:
日産自動車株式会社のベトナム現地合弁会社「ベトナム日産会社」(NVL)は5日、グローバル市場向けに開発した「リヴィナ」シリーズのMPV「グランドリヴィナ」を販売開始すると発表した。同モデルは、ベトナムにて現地生産される最初のモデルであり、4月6日より順次、ホーチミン市とハノイ市に新規開設される日産の正規ディーラーにて販売を開始する。
日産自動車によりますと、2008年に現地の販売体制が見直され、現在のベトナム日産会社が設立されました。その際、販売する車種は現地生産体制が整うまではすべて輸入で賄うことにしました。 当初はタイから高級セダン「ティアナ」、インドネシアからSUV「X-TRAIL(エクストレイル)」、日本から「Z」を輸入。一方で現地生産3車種という目標を掲げ、製造ができるパートナー企業の育成を進めてきました。
会社ニュースリリースから引用:
「グランドリヴィナ」の生産は、ベトナムモーターズコーポレーション(VMC)に委託され、NVLが車両配給する。VMCでは、日産がグローバルに展開する日産生産方式(NPW:Nissan Production Way)を採用しているほか、他拠点と同レベルの品質基準の達成と生産同期化を図るため、同社のエンジニアを最長で5ヶ月間日本に派遣し、生産技術、現場管理、品質保証のトレーニングを実施した。また日本からは、生産開始に先立ち、合計60名以上の技術員を派遣し、現場の指導を行った。(中略)
ベトナム日産は、「グランドリヴィナ」を皮切りに、商品ラインアップを強化し、今後3年以内に現地生産モデル3車種を含む8車種以上をベトナムにて販売する予定である。
右側通行の国ベトナムでは、左ハンドル車をそのまま輸入できる韓国や中国、ロシアのメーカーが幅を利かせています。日本メーカーでは、トヨタ自動車が1996年、ホンダ(本田技研工業)が2006年から四輪車の製造事業を行っていますが、日産は3社目となります。
ホンダのプレスリリースから引用:
Hondaのベトナムにおける現地法人、ホンダベトナムカンパニー・リミテッド(以下HVN)は、ハノイ郊外ビン・フック省の自社敷地内に新設した四輪車工場製の新型シビックを本日発売し、ベトナムでの四輪事業を開始した。HVNは25日に、新工場の開所式を行う。
(中略)ベトナム四輪車市場は、約3万5千台(2005年実績、出典:VAMA*注)と小規模ではあるが、経済成長とともに拡大が見込まれており、HVNは、ベトナム政府より四輪車製造・販売の認可を取得し、四輪車工場を新設した。今後、世界各地域で好評を得ている新型シビックの生産・販売を通じて、ベトナムのお客様に新たな喜びを提供していく。
トヨタから遅れること14年。遅れを挽回するのは容易ではありませんが、日産はベトナムでの四輪車事業に全力で取り組む姿勢を表明しています。
会社ニュースリリースから引用:
日産の最高執行責任者(COO)である志賀俊之は、「現地生産モデルの販売開始と旗艦店となる新規ディーラーの開設は、日産が長期的な視野でベトナム事業に取り組む証である。ベトナムは、アジアの中でも将来性の高い自動車市場の一つであり、本日、同国にて大きな転換点となる日を迎えられたことを嬉しく思う」と語った。