NTT西日本(正式社名:西日本電信電話、大阪市)の子会社で携帯電話向けコンテンツ配信を手がける「NTTソルマーレ」(大阪市)は、ベトナム語に訳された日本のマンガを携帯電話に配信する事業を始めました。地場の大手ソフトウェア開発会社「ティン・バン」と提携、「Icomic」の商標名でまずは携帯3位、ベトテルの利用者向けにサービスを開始します。

会社プレスリリースから引用:
 (日本)国内No.1ケータイコミック配信サイト「コミックシーモア」を運営する、エヌ・ティ・ティ・ソルマーレ株式会社と、コンテンツプロバイダであるTinhvan Group(本社:ハノイ 会長兼CEO:Hoang To 以下、Tinhvan社)は、ベトナムの大手携帯電話事業者であるViettelのコンテンツサービス「Icomic」において日本のコミックの配信を開始致しました。

 NTTソルマーレは、NTT西日本が100%出資して2002年に設立。2004年8月から日本の携帯電話向けにマンガをデータ化して配信する「コミックシーモア」というサイトを手がけてきた、いわば電子書籍の先駆者といってもいい会社です。アメリカのアマゾンは電子書籍事業に乗り出すにあたって、専用プレーヤー「キンドル」を作り、一方でアップルもiPadを電子書籍再生対応とする取り組みをしていますが、コミックシーモアは既存の携帯電話機がそのまま電子書籍プレーヤーになるという意味で、通信との親和性に優れています。

 日本国内では大手3キャリア(ドコモ、au、Softbank)の公式サイトとなり、海外でもiモードが展開されている国を中心に積極的な展開を進めてきました。さらに、2008年からはiPhone、そして今年からはキンドルやiPadにも正式に対応し、NTTソルマーレは日本のマンガを世界に発信する拠点企業として、その活躍の幅をどんどん広げています。

会社プレスリリースから引用:
 配信チャネルの中の1つであるAppStore(Apple社が提供するアプリケーションストア)にてiPhone向けにコミック100タイトル以上、1,000ファイルと当ストア内ではトップクラスのコンテンツ数を配信しており、40万ダウンロードを突破しています。 これらの実績も踏まえて、今年4月米国での販売開始以来、僅か1ヶ月で100万台を超える販売台数を記録しているiPadを、新たなグローバル配信チャネルとして着目し準備を進め、この度、日本での端末販売に先立ち、コミックコンテンツの提供を開始しました。

 2009年にはシンガポール最大手、Singtel向けの「着うた」配信を開発したマスターコンテンツプロバイダー、ユビテクノ(東京都港区)と提携して、「Plus-U ジャパンカテゴリ」の名前で、主力のコミックシーモアをシンガポールに上陸させていました。

ユビテクノのプレスリリースから引用:
 シンガポールにおいてユビテクノは日本のモバイルコンテンツの海外進出及びソリューション事業の窓口として東南アジア及びオセアニア地域等への展開を支援しています。またNTTソルマーレは日本におけるモバイルコミックのリーディングカンパニーとして積極的に海外への展開を行っています。このような中、東南アジアのハブ都市であるシンガポールを拠点としてNTTソルマーレ及びユビテクノは共同でコミック配信を提供することに合意致しました。

 そして、シンガポール、マレーシアに次ぐASEAN域内3カ国目の展開として、ベトナムが選ばれたのです。ソルマーレが注目したのは、やはり「若い国」というベトナムの人口構造でした。

会社プレスリリースから引用:
 人口8,600万人を有し、そのうち6割が30歳以下の若年層で占めている上、約6,000万人の携帯電話加入者がおり、東南アジアにおける有力なモバイルコンテンツ市場として注目されています。

 最初のキャリアとしてベトテルが選ばれたのは、主な購買層と見込む若者の間での普及率が高いことと、3G携帯向けのコンテンツサービスが充実していることが理由だそうです。今後、残る2大キャリアであるビナフォンとモビフォンにもサービスを拡大し、ベトナムの携帯電話契約全体の95%を占める3大キャリアを制圧して、日本のマンガコンテンツを強力に売り込んでいこうともくろんでいます。

会社プレスリリースから引用:
 NTTソルマーレとTinhvan社は、今後、ベトナムの主要な携帯電話事業者であるMobifoneおよびVinaphone向けのコミック配信サービスも早期に提供を開始し、ベトナムにおける日本のコミックの認知度の向上を通じて、日本とベトナムの文化の架け橋となることを目指します。

 iPadが未発売、iPhoneの正式発売も今年3月にようやく始まったばかりのベトナムだけに、携帯がプレーヤーになるコミックシーモアの上陸はNTTソルマーレにとって大きなビジネスチャンスになることでしょう。

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