翌4日はどうしても外せない所用があったグエン・タン・ズン首相に代わってホアン・チュン・ハイ副首相(経済担当)が前原・仙石両大臣と会談しました。会談では、新幹線計画よりも原子力発電所の話が中心になりました。しかしそれでも、前原大臣は先に導入が決まっていたハノイ・ノイバイ空港アクセス鉄道の話から入り込みました。

フジサンケイビジネスアイから引用:
 国際空港があるノイバイとハノイを結ぶ「空港連絡線」(約50km)の整備について、事業化調査をする考えを表明した。この路線を南北高速鉄道の実験線と位置づけ、早期の建設に着手。新幹線ではなく、「まずはスーパー特急」(政府関係者)の導入を想定し、徐々に運営や維持管理のノウハウを蓄積させる狙いだ。

 その上で、民間随行員として同席した葛西敬之JR東海会長、清野智JR東日本社長ら日本側の新幹線運営者から説明をさせました。
 ここで、実際のところ2020年の2区間同時開業は相当厳しいと認める発言もベトナム側から引き出しているようです。

日本ブルームバーグから引用:
 ベトナム政府は「日本の新幹線を採用することを決めたが、ベトナム側が計画している2020年までには厳しい」と述べ、「先延ばしをするなど柔軟な対応をベトナム側に求めた」と語った。 

 日本側は、1キロメートルあたりの工事単価を単純に計算して30億円と見積もっています。ですから、2区間を同時にやるとなれば660キロメートル*30億円=2兆円という計算もわかります。どちらか1区間だけなら半分の1兆円で済むという訳。半分以上を円借款供与するとしても、ふくちゃんは一回の供与規模としては5,000億円が限界と見ます。
 日本でも東京から博多までの開業には着工から16年かかりました。ハノイ~ホーチミンシティ間は、それをも上回る長距離ですから、25年という時間も現実的ですが、何せ部分開業させる第1期区間が悪すぎる。先にも書きましたが、ホーチミンシティからニャチャンの区間をやったとしても、途中の街が如何せん無名ですし小さすぎます。ニャチャンのあるカインホア省はまだしも、ビントゥアン省やラムドン省の名前を知っている日本人は非常に少ないでしょう。観光地ダラットを通ることも予定されていません。

 ハノイからビンの区間も、ダナンまで延びなければビジネス客はそんなに期待できないでしょう。南部では、ホーチミンシティで打ち切るのか、それとも現在鉄道が通っていないカントーまで持っていくのか、はたまたカンボジアへ直通させるのか、長期的な課題は尽きません。

 その後は、10月に予定されている羽田空港の再国際化にあわせてベトナム航空が羽田~ホーチミン・タンソニャット空港またはハノイ・ノイバイ空港のどちらかを結ぶ路線枠を獲得できるかの話に変わりました。時事通信によりますと、認められたとしても毎日1便しかないであろうベトナム側発着枠の中で、どちらの空港に就航させるかが焦点となり、引き続き検討していくことになりました。就航先の決定は、直前までかかることが予想されます。

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