ビナシン(造船産業グループ)は、イスラエルの会社から受注して建造を進めていた自動車運搬船を完成させ、引き渡しました。ベトナムの造船所で自動車運搬船を建造するのは初めてで、韓国や中国に遅れを取っていた造船産業の発展に大きな自信となります。

VIETJOから引用:
 ベトナム造船産業グループ(ビナシン)傘下のハロン造船社は4月29日、4,900台積みの自動車運搬船「ビクトリー・リーダー」を発注者であるイスラエルのレイ・シッピング社に引き渡した。

 自動車運搬船の標準は日本の大手メーカーが作り上げるとされ、今回の船もイスラエルの会社を便宜置籍にし、実際は日本郵船(東京都港区、東証1部上場)が運航するといいます。

日本郵船のホームページから引用:
 当社が開発した自動車船の荷役・積載方式は、大量の車両を安全かつ効率よく積載できるため、現在、世界の自動車船の安全で環境に配慮した運航のための世界標準になっています。

 日本郵船は自動車運搬船を日本以外の国に発注することが最近増えていて、ASEAN圏内ではフィリピンにあるツネイシホールディングス(旧社名常石造船、広島県福山市)の現地法人で建造された例があるといいます。ビナシンの技術も年々向上し、日本の会社の眼鏡にかなう大型自動車運搬船を手がけられる能力がついてきました。
 そして、レイシッピングは2006年5月、ビナシンに自動車運搬船8隻を発注。その時点で少なくとも4隻が日本郵船に配船されることが決まっていました。8隻はハロン造船所(クアンニン省)で順次建造が進められましたが、2008年に予定されていた1番船の進水はリーマンショック以降の不景気もあって、1年近く遅れました。それでもビナシンはレイ社や郵船としっかり連携して遅れを回復。今回完成したビクトリーリーダー号が1番手として2009年7月に進水しました。

VIETJOから引用:
 ベトナム造船産業グループ(ビナシン)傘下のハロン造船社は21日、北部クアンニン省で国内で初めて建造した自動車運搬船「ビクトリー・リーダー」号の進水式を行った。

 造船というのは、進水してはいおしまいではありません。進水はあくまでも船が水面に浮かぶようになっただけ。その後に内装を整備する「艤装作業」が行われて初めて運航に使えるようになります。飛行機が初飛行してすぐに引き渡されるのではないのと一緒です。大型船ではちょっとした町並みの広さがあるため、それ相応の時間がかかります。ビクトリーリーダー号は、2年近い時間をかけて艤装が進められてきました。
 ビクトリーリーダー号は全長186メートル、型幅32メートル、深さ34メートルの船体で、これは船名に「リーダー」の文字が付くことの多い日本郵船自動車運搬船団の僚船とほぼ同等のサイズ。船内は12層の積載スペースがあり、自動車4,900台を積むことができるといいます。

「ふなLOG」さんから引用:
 一見見慣れたこの船型ですが世界NO1の自動車輸送会社と国内NO1の造船会社のタッグマッチは向かうところ敵なしでしょうか。

 荷主は現時点ではわかっていませんが、日本の工場で作られた普通自動車を欧米に輸出する任務を担うとみられています。ビクトリーリーダー号は今年夏にも母港になる予定の川崎港に到着し、実戦投入される予定になっています。

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