日本でも注目されるベトナム原産の「バサ」!

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 中堅商社の神栄(神戸市、東証1部上場)は、ベトナムから輸入したナマズの一種、「バサ」の切り身から、基準を上回る残留農薬が検出されたと発表しました。

会社プレスリリースから引用:
 弊社の取扱商品である「ベトナム産 冷凍バサ切身」について、残留農薬の自主検査を実施した結果、基準値を超える農薬トリフルラリンが0.12ppm検出されたため、自主回収することを決定いたしましたので、お知らせします(食品衛生法における残留基準値:0.001ppm)。

 ここで、注目すべきは残留農薬の量云々ではありません。会社側も一般家庭に出回る分量では直ちに健康被害を引き起こす量ではないとしています。

会社プレスリリースから引用:
 トリフルラリンの1日摂取許容量(ADI: Acceptable Daily Intake、一生涯にわたり摂取し続けても健康への悪影響がないとされる1日当たりの摂取量)は、0.024mg/kg(体重)/日 です。体重50kgの人であれば、当該商品を10kg食べないとADIには達しないため、通常の喫食量であれば健康に悪影響を及ぼすことはありません。

 それ以前に、バサ? こんな名前の魚、日本の普通の魚屋さんではこれまでまず、耳にしなかったでしょう。しかし、1990年代後半から資源の減少が指摘されるようになったスケトウダラに代わる白身魚として、一部の商社と大手水産メーカーは注目していたのです。

ZAKZAK(夕刊フジ)から引用:
 2006年にバサの輸入を始めた水産大手、マルハニチロ水産(旧社名マルハ、東京都千代田区)は、2009年度に2007年度比で3.5倍の850トンをベトナムから輸入する。現地の工場でフィレ切り身に加工して冷凍。輸入後は主に弁当チェーン、学校給食、ファミレスなどへフライ用として売り込んでいく。

 需要増加とそれに伴う資源減少でスケトウダラの値段が高騰したために、それよりも単価の安いバサに注目したわけですが、日本ではナマズ目ということを前面に出すと売り込めない可能性があるとして、バサはバサのまま、上陸していきます。

ZAKZAK(夕刊フジ)から引用:
 バサの価格はスケトウダラと比べて3分の1程度。マルハニチロ水産の上部持株会社、マルハニチロホールディングス(旧社名マルハグループ本社、東京都千代田区、東証1部上場)が「欧米ではかなりの量が流通していて、『魚臭さ』がないためソテーやフライ用に好まれている」(広報IR部)と説明するように、淡泊な味でクセはないという。「〇〇ナマズ」のような和名は付けずバサのままで販売していく。

 しかし日本に上陸する以前から、アメリカ向けには輸出が行われていました。社会主義共和国発足直後、旧南ベトナムからアメリカへ移民した「越僑」たちが、現地でナマズ目の白身魚が常識的に食べられるのに目をつけ、バサを輸出させたのが始まりといわれています。現在では、「バサ」はカンボジア発由来の名前とされ、ベトナムではバサよりももう少し大きい「チャー」が主力になりつつあるようです。

オリエント証券(東京)のレポートから引用:
 ベトナムでは広域に広がるメコンデルタを活用した水産養殖が盛んだが、とくに白身のナマズが欧州向けなどに急拡大中。
 ベトナムネット紙によると、ナマズの一種バサは今年1~9月の輸出が52%増の10億ドルに乗せた。政府はもう一つのナマズ種チャ―の養殖面積拡大に乗り出しており、2010年に8,600ヘクタール、2020年に1万3,000ヘクタールでの養殖を計画しており、2010年には15億ドルの輸出を計画。
 なまずは健康ブームに加え、タラの半値という安さが受け、世界的に白身フライなどに活用されており、107カ国に輸出されている。

 アメリカでは、マクドナルドがフィレオフィッシュの白身魚フライ用として使っているといい、スケトウダラに代わる業界の救世主となりました。スケトウダラの資源が他国に比べて恵まれている日本も遅ればせながら、バサやチャーがフライなどで使われるようになってきましたが、スケトウから主流の座を奪うのはまだまだ先のようです。

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