原子炉受注は建てて終わりではない!

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 グエン・タン・ズン首相は10月31日、ASEANサミット出席のためベトナムを訪れた内閣総理大臣・菅直人(民主党、衆議院東京17区)と会談、日越両国間の戦略的パートナーシップをさらに深化させることで合意しました。

日経Web刊から引用:
 菅直人首相は31日午前、ベトナムのグエン・タン・ズン首相と会談し、戦略的パートナーシップの推進など日越関係の強化に関する共同声明を発表した。

 もうひとつの目玉、原子力発電所の受注は日本が国を挙げて海外で行う初の輸出プロジェクトとなります。既に東芝は海外で原子力関連事業を行っていますが、これはあくまでもアメリカ企業を買収しただけの話で、ゼロから海外事業に取り組んだわけではなく、誤解してはいけません。

東芝のプレスリリースから引用:
 当社の原子力事業は、1966年に事業を開始して以来、国産初号機の納入や110万kW初号機の建設に携わるなど、日本の原子力産業の発展に大きく寄与してきました。

 東芝の原子力事業部門子会社であるウェスチングハウスは、東芝本体より10年も先に原子力事業に進出していて、2006年に買収するまでは、東芝本体の原子力事業は日本国内に限られていたのです。

東芝のプレスリリースから引用:
 ウェスチングハウス社は、1957年に世界に先駆けて原子力事業を始めて以来、50年にわたり原子力発電プラントに関する機器、サービスを提供し、世界の電力インフラの整備に貢献してきました。

 日本側では、海外での原子力発電機建設に際して国と業界と協調して取り組むことにし、そのための特別目的会社「国際原子力開発」を立ち上げました。民間側参加メンバーは、電気事業連合会を構成する地域電力会社9社と、東芝、三菱重工、日立。これに、産業革新機構を通じた国庫出資を加えます。

東京で発行されている「電気新聞」から引用:
 原子力新規導入国への提案活動を行う「国際原子力開発」(JINED、東京都千代田区、武黒一郎社長)が(10月)22日、発足した。同社には電力9社とメーカー3社、産業革新機構の計13社が出資。官民一丸体制で新規導入国での受注に向けた活動を展開する。

民間側メンバーのうち、東芝、日立、三菱重工のメーカー3社と東京電力は産業革新機構にも出資しており、国際原子力開発はよりスムーズな展開を可能にします。また、ウェスチングハウスも東芝の実働部隊として参加することになります。

 その上で、今回グエン・タン・ズン首相から確約された原子力発電機2基の正式な契約と、運転に当たっての技術指導、さらには廃炉や代替、核燃料サイクルまで含めれば数百年単位になるであろう、実質半永久的な付き合いに向けて、動き出していくことになる訳です。目先の建設だけではい終わり、後知らないという態度では許されないということも理解しないといけません。

電気新聞から引用:
 当面は、ベトナム政府が計画する原子力発電所建設事業の受注活動に注力することになる。

電気事業連合会会長・清水正孝(東京電力代表取締役社長)の記者会見(公式HP掲載)から引用:
 原子力発電所の輸出は、契約の受注から運転開始まで約10年、運転期間を含めれば
60年~70年にわたる超長期かつ大型プロジェクトであり、(中略)私どもは、長年にわたる運転・保守の経験を活かして、ベトナムの原子力発電の安全性・信頼性の向上に貢献できるよう業界を挙げて取り組んでまいりますが、政府には引き続きご支援・ご協力をお願いしたいと思います。

 そうなると、もはや東芝だけのノウハウでどうこうという問題ではなくなってきます。日立や三菱重工といった同業他社、さらには基幹部品の一部を供給できる外国メーカーの動きも重要な位置を占めてくるのです。

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