ビナシン社長、わずか2ヶ月でまたクビ!

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 造船グループ(ビナシン)の乱脈経営問題で、新たな動きがありました。7月、前会長の免職を受けて就任したばかりの新社長が、わずか2ヶ月で職務停止処分を受けてしまいました。処分はグエン・タン・ズン首相の指示によるもので、西側企業の取締役解任に相当します。

VIETJOから引用:
 グエン・タン・ズン首相はこのほど、ベトナム造船産業グループ(ビナシン)の社長職に2カ月前に就任したばかりのチャン・クアン・ブー社長とチャン・バン・リエム監査役兼取締役の職務を停止することを決めた。

 ビナシンの前会長兼CEOだったファム・タイン・ビン容疑者は、共産党検査委員会の調査結果を受けて7月13日付で免職になり、その後、8月4日付で公安省に逮捕されました。この直前の7月1日付けで、社長兼COO(最高執行責任者)に就いたブー社長は、ビン会長が残した巨額負債問題の徹底解明と、会社再建のメドを付けるために送り込まれたはずでした。

 ところが、ブー社長は子会社出身ということもあり、なかなかうまくはいきませんでした。日本航空の再建では大西賢社長兼COOが子会社出身でしたが、実際は生え抜き。外部から稲盛和夫会長兼CEOを迎えて、外部監視を強化しつつ再建を強力に進めるというコーポレートガバナンスが確立しました。しかし、ビナシンの場合、共産党中央が党と国家の総力を挙げて再建するといいながら、実際は子会社出身の幹部が大多数を占めていました。ビン会長時代のビナシンを知る立場として、特にアメリカならば経営陣に留まることなど許されないはず。そこで、ブー社長は「連帯責任を取る用意がある」と繰り返し主張していました。

VIETJOから引用:
 ブー氏は「ビン会長だけではなく、我々幹部全員に責任がある。自分自身にも誤りがあり、いかなる処分も受け入れる用意がある」と語っていた。

 日本でも、会社更生法によって再建が行われる場合は、適用を申し立てた当時の経営陣は総退陣しないといけません。

名古屋で発行されている「中部経済新聞」から引用:
 会社更生は多数の関係人の利害調整を要するため、民事再生に比べその手続が非常に複雑・厳格であるということです。
 会社更生の場合(中略)(2)会社の経営権は管財人に引き継がれ、旧経営陣は会社の経営から離脱することがあげられます。

 しかし、今回のビナシンの場合、会社更生の過程で免職になった旧経営陣に代わる新経営陣がわずか2ヶ月で免職になり、再び経営陣の入れ替えが行われるというのは、日本の会社更生法でも滅多にないことです。日本航空は既に社長・会長を入れ替え、12月の更生計画認可を待って下の取締役、執行役員を入れ替える予定。

日経Web刊から引用:
 会社更生手続き中の日本航空は、10月1日に予定していた経営陣の大幅な刷新を12月1日に延期する。「じっくりと人事を考えたい」とする稲盛和夫会長の意向。11月末に予定される東京地裁の更生計画の認可を待って、再建策を着実に実行する布陣にする。

 稲盛会長の退任も2年先の2012年が予定されていて、今回のビナシンの2ヶ月で再入れ替えというのが如何に異例かお分かりいただけると思います。

朝日新聞から引用:
 自らの会長職については、社員の意識改革が進んでいるなどとして「2年ぐらいで勘弁してもらおうと思っている」とも言及。就任から2年後の12年2月をめどに退任する意向を示した。

 ビナシンでは、新たな社長が党中央から指名されてくるまで、とりあえず職務代理者を立てて乗り切る意向です。

VIETJOから引用:
 ビナシン取締役会は8月30日、この2人の解任を決めた後、ビナシン営業部門の責任者であるグエン・クオック・アイン氏を社長代理に、ドー・タイン・フン取締役を監査役代理にそれぞれ任命した。

 新社長の決定は来年になる可能性もあります。しかしそこまでの間に債務超過になってしまってはお話になりません。スピード感あふれる経営が、今のビナシンには求められています。

 その後、免職となった2人は先に逮捕されていたビン容疑者と同様、公安省に逮捕されました。
容疑はいずれも背任で、今後ビン容疑者とともに厳しく追及されることになります。

VIETJOから引用:
 公安省警備捜査局は3日、ベトナム造船産業グループ(ビナシン)の幹部職員4人を逮捕した。このうち2人は、先頃グエン・タン・ズン首相から職務停止命令を出されてその後職を解任されたチャン・クアン・ブー元社長(52歳)とチャン・バン・リエム元監査役兼取締役(55歳)。

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