ラオスとカンボジア情報の出口になるベトナム!

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 前の記事のソースで、ラオス国営KPL(パテトラオ)通信の報道をベトナム国営VNA通信が伝えたと書きました。マスメディアの発展が遅れているラオスとカンボジアでは、両国の地場メディアの報道がベトナムを経由して世界に伝わったり、あるいはベトナムの報道機関が直接世界に流すこともあります。ラオスとカンボジアにとって、ベトナムは海外との間の情報交換に切っても切れない、いわば情報の出入口でもあるのです。

 ラオスにはKPL通信、カンボジアにも「クメール通信」という国営の海外向けニュース配信組織があります。特にラオスはベトナムと同様に社会主義民主集中制を取っているため、マルクス・レーニン主義の報道原則もあってなかなか海外に自国のニュースが流れません。
 そんな中、日本の時事通信はラオス関連のニュースを比較的多く配信しますが、その時に使われるクレジットが、次に挙げる文章です。

【RP=時事】 某日のビエンチャン発ベトナム通信によると

 VNA通信ビエンチャン支局が配信した記事が、VNA通信が現在も海外向け配信に使用している短波帯テレタイプ(RTTY)を日本で唯一、公式に受信している国営ラヂオプレス通信(正式名称:公益財団法人ラヂオプレス)が書き起こし、翻訳して時事通信経済部に渡した、という意味です。

 国営ラヂオプレス通信は北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の国営放送を24時間傍受する、一種の諜報機関だと認識されている方が非常に多いと思われます。しかし、そうではありません。海外向けニュース配信技術の発達が進歩していない旧共産圏の諸国にとっては、日本を通じて欧米先進諸国へも情報を流してもらえる貴重な存在。特にラオスは外国通信社の支局そのものがほとんどなく、カンボジアも日系メディアの常駐支局は共同通信だけ(朝日新聞が一時期支局を置いていたが1996年に閉鎖)なので、ひたすら現地メディアの記事を翻訳するラヂオプレスの存在が重要になってきます。

読売新聞から引用:
 東京・新宿のビルにあるラヂオプレスのオフィス。受信機に囲まれた席にモニターと呼ばれる8人の編集部員が交代で座り、朝鮮中央放送と平壌放送の二つの短波放送を聴きながら、ニュース項目を書き取る。(中略)
 1946年に財団法人となり、現在は北朝鮮のほかロシア、中国など約20か国・地域のラジオやテレビが報じるニュースの翻訳を、報道機関や官公庁へ配信するのが主な業務。

 この20カ国の中には、ベトナムやラオス、カンボジアも含まれています。しかし最近は、KPL通信も英語ホームページを持つようになり、ラヂオプレスの記者も連日見ては書き起こしているようなので、次のようなクレジットも出るようになりました。

【RP=時事】 某日のパテト・ラオ通信によると

 もっとも、これがクメール通信の記事となると、もっとややこしくなります。

【RP=時事】某日のクメール通信によると

 クメール通信はホームページを未だに持っておらず、海外向けに出る記事の配信はほとんどがVNA通信プノンペン支局を経由して行われているとみられ、西側先進諸国では事実上、VNA通信が配信したものと同等に扱われているという話を聞いたことがあります。カンボジアでは報道の自由こそ他の共産圏国家に比べれば進んでいますが、如何せんクメールルージュ時代の文化完全破壊から完全には立ち直りきれていません。
 カンボジアにとっての情報の出口は、唯一の中国語商業紙「柬埔寨星洲日報」の親会社があるマレーシアではなく、ベトナムであることは紛れもない事実なのです。

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